STYLE TALK: 08

My Rule forWINTER STYLE

featuringMariko Hayashi

スタイルのある人に聞く3つのルール Vol.8

冬の着こなし、林 真理子さんの場合。

STYLE TALK

2022.01.28

Photo: Yu Inohara
Edit&Text: Naoko Monzen

色をワントーンでまとめる

「基本的にはマニッシュなパンツルックが好きです。メンズファッションを参考にすることが多いですね。でも年を重ねて、“好き”と“似合う”が変わってきたなと感じています。例えば、昔はメンズの太いパンツを腰で穿くのが似合わなかったのですが、今ならできるようになってきたかなって。今日のパンツもそう。好きだった細いパンツからこういったタイプにまで広がりがでてきたように思います」

「ワントーンが好きなのは昔から変わらないですね。その冬に着たいワントーンカラーが年によって変わってくるんですよね。去年ならブラウンや白が気になっていましたが、今年はグレー。といってもグレーは定番的にワントーンで取り入れたい、常に憧れの色。しかも冬に着たくなる。なぜか夏は全然グレーが着たくならないですね(笑)」

「グレーは素材のよさが際立つ色だと思います。ウールなど上質な素材同士でワントーンにまとめたいですね。グレー自体は無彩色ですが、全身にすると迫力がでますよね。シックでエレガントで……“マニッシュでエレガント”っていちばん好きです。うまく着こなせたら最強ですよね。この着こなしで特に好みだったのはシャツとタートル。大きさとシルエットが絶妙。重ね着した時のバランスもすごくよかったです」

着こなしに遊びを取り入れる

「ここ数シーズン、全然“盛る”気分じゃなかったんです。40歳を過ぎたことと産後だったこともあるかもしれないですけど、ものすごく今までと似合うものが変わってきて。あんまりファッションで遊べなかったんです。やっと今、産後3年を過ぎて体型が落ち着いてきたからか、“盛る”=遊んだりレイヤードしたりが楽しくなってきました」

「今回の着こなしも、少し前までだったらニットのセットアップだけで満足していたんですけど、今はそこにハーフパンツやストールをプラスしたいですし、ヒールを合わせたい。以前だったらスニーカーを合わせていたと思います。今は“当たり前に着ない”のが気分ですね。今まで好きだったものに何かをプラスすることで、気分を変えたいというか。このコーディネートのお気に入りはセットアップ。ニットのセットアップは永遠に好き。毎年絶対買いますし、自分のブランドでも作っています」

ディテールにこだわる

「好きなワントーンでありつつ、デザインされたアイテムやディテールにこだわったアイテムを選んで重ねているのがこのコーディネートのポイント。Rule1とRule3の着こなしにはどちらもRule2がリンクしていて、Rule1はサイジングで遊んで、Rule3はデザインで遊んでいる感じですね。産後、リラックスした服はさんざん着たので、今ならリラックス感がありつつこれくらいデザイン性が高いものが着たい。さらにレイヤードして遊ぶのが今の気分ですね」

MY BEST ESCAPE

Q: これまでで最高のエスケープ先は?
「5年ほど前に、3週間くらいかけてパリ~モロッコ~パリ~NYを巡った旅。食べものも文化も場所によって全て変わって、すごく刺激的でしたね。もうできないだろうというのも含めて、忘れられない旅です。NYは仕事でしたが、各地に友達がいてリラックスできたのもよかったですね。調べたり動きすぎたりするのが好きじゃなくて、“がんばりすぎない”旅が好きなんです。暮らすように過ごす旅。例えば毎朝同じカフェに行くとか、そういう落ち着きのある旅が好きですね」
Q: エスケープに欠かせないアイテムは?
「日本のデザインレーベル、raregemのトートバッグ(写真右)。この驚くほどの大きさがいいんです。サーフィンをするのですが、今は日本しか行けないので、必然的に旅は車で移動できるところばかりになります。そんなとき、なんでも入ってとにかく便利。旅の必需品ですね」

PROFILE

林 真理子さん/「ジョンリンクス」デザイナー、ディレクター
セレクトショップのプレス、デザイナーを経て2008年に自身のブランド「ジョンリンクス」を立ち上げる。デザインする際に心がけているのは、着る人になじむ、“主役にならない服”。
Instagram: @mariko__hayashi