DESIGN TALK: 01

CREATOR'S EYE

byHirotakaHirotaka Inoue

デザイナーに聞く、“ものづくり”の世界 Vol.1

Hirotaka 井上寛崇さん

DESIGN TALK

2019.03.25

Text: Naoko Monzen

INSPIRATION SOURCE

想像力を刺激する、自然界の多様性

井上さんの着想源を覗く、3点のコラージュ。「1はアフリカに生息するラケットヨタカ。繁殖期のオスだけ、装飾羽をもちます。この羽根のように、予測できない自然界の多様性に惹かれます。そこから要素を抽出して、抽象度を極限まで高めるのが私のデザイン。日本人ならではの引き算の美学にも通じる点があると思います」

「2はギリシャで見かけたアミュレットをもとに描いたもの。イメージは“砂浜に忘れてきたブレスレット”。存在するものに想像をミックスしたストーリー性のあるデザインもHirotakaの特徴。ジュエリーを通して、想像力で遊ぶおもしろさを提案したいですね」。3はNYで注目されるきっかけとなった芋虫モチーフのリングや曲線がいきる代表作〈アローピアス〉など、原点となる作品を中心にコラージュ。より抽象化を進めた現在のデザインに至るまでのプロセスが伺える。

INSPIRING ESCAPE

自然を愛する自分がNYに惹かれる理由

「年に数回訪れ、刺激を受けるのがNY。大自然で感じる動植物の多様性に対して、NYで実感するのは“人”の多様性。大都会・NYと自分が好む有機的な要素を融合させることに魅力を感じます。それを形にした例が、直線的な〈マンハッタン〉シリーズ。今後も研ぎ澄ましていきたい部分です」

ABOUT CREATION

“腑に落ちる”瞬間まで試行錯誤を続ける

1は無数のドローイングと、そこからうまれたジュエリー。「思いつくまま描き始めて、細かな角度や長さの違いを含め、納得するまで何度も直します。言葉で表しにくい、“腑に落ちる”ところまで。お客様がジュエリーや服を気に入る際にもこの感覚があるのではないでしょうか」

2は新作を考案する井上さん。数百種類を超えるデザインはすべて井上さん自身のスケッチによってうまれ、試行錯誤を重ねて形になっていく。「デザインするうえで大切にしているのが、身につける人のパーソナリティよりジュエリーが前に出ないということ。抽象度を高める理由もそこにあります。例えば動物をモチーフにしたものでも、捉え方やいかし方は人それぞれ。ひとつの要素として、重ね付けなど自由にスタイリングを楽しんでいただきたい。その思いから、身につけた時の全体的な雰囲気を考慮してデザインしています。これも着地点は “腑に落ちる”まで、ですね」

PROFILE

井上寛崇さん/Hirotaka デザイナー
IT企業に勤務したのち、パリに渡りジュエリーの世界に入る。2007年に独立し、2010年にNYで自身のブランド、Hirotakaの初コレクションを発表。2016年、東京・表参道ヒルズに初の直営店をオープン。
www.hiro‒taka.com

BRAND

Hirotaka/井上寛崇氏によるジュエリーブランド。NYの小さなトランクショーからスタートし、現地のエディターやスタイリストの口コミによって人気が広まる。現在は全米で展開があるほか、日本でも直営店をはじめ全国のセレクトショップで取り扱いがある。

自然界の動植物を抽象化したミニマルでモダンなシェイプに、エレガンス、クラフツマンシップを併せもったデザインが特徴。アイテムは日本の職人によるハンドメイド。
Hirotakaの商品一覧