POSTELEGANT<br />
DESIGNER INTERVIEW

INTERVIEW

POSTELEGANT
DESIGNER INTERVIEW

素材へのこだわりと服作りへの思い

肌で感じる天然素材の上質感、着る人のセンスや内面を引き出すシンプルでモダンなデザイン ー2017 年のデビュー以来、国内外で高い評価を集めているブランド「POSTELEGANT( ポステレガント)」デザイナーの中田氏に、素材へのこだわりや服作りへの思いを伺いました。

2021.11.17

01 天然の魅力を引き出した<br />
素材ファーストのクリエーション

01 天然の魅力を引き出した
素材ファーストのクリエーション

「POSTELEGANTで使用している素材は天然繊維がほとんど。合成繊維は人工的に作ったもので、もちろん中には肌触りが良いものもあるんですけど、天然の素材の良さっていうのは人間がどれだけやってもかなわない部分があって。そこにすごく魅力を感じています。信頼している国内の生地屋さんに出向いて元になる資料を見せていただき、もっとこういう質感にしていきたい、と打ち合わせを重ねながら素材を決めていきます。春夏では和紙素材を使った服が好評でした。天然ならではの触った時のタッチの良さや肌に触れる心地よさ、吸湿性があり涼しいという機能的な面も兼ね備えている魅力的な素材です。また海外に出ていったタイミングでもあったので、日本の強みとして、世界中でも日本でしか作れない“和紙” という素材を、日本のブランドのアドバンテージとして使いたいという思いもありました。素材の良さをいかしてデザインは極力シンプルに、着る人が自由な着こなしを楽しめるようなストンとしたシルエットにしています」
02 インスピレーションの源は<br />
自然のマテリアルのパワー

02 インスピレーションの源は
自然のマテリアルのパワー

「素材選びと並行して色も決めていくのですが、そういう時、僕は基本的に自然の景色、天然の岩や草とか、なるべくそういうものから色をピックアップしています。自然の中にある色って風景に馴染むし、違和感がないと思うので。やはり天然の素材には、天然の色のほうが相性
がいいんです。特にシーズンテーマは設けていないのですが、今シーズンは枯れ草とか岩とか、自然のマテリアルのパワー、時間を経て成り立っている景色の強さにインスピレーションを受けました。とはいえ実際に着るのは街の中で、仕事や食事などのリアルなシーン。自然から得たイメージを表現しつつ、生活の中でリアルクローズとして成り立つバランスを心がけています」
03 見据えているのは女性像ではなく「人間像」 クリエーションのヒントを得ることも<br />
ジェンダーニュートラルな服作り

03 見据えているのは女性像ではなく「人間像」 クリエーションのヒントを得ることも
ジェンダーニュートラルな服作り

「一応ウィメンズブランドとしてスタートしたのですが、僕自身も着ていますし、展示会や個人オーダーでも最初のシーズンから買ってくださる男性がいて。どちらかと言うと人間像みたいなものを描いて作っているので、性別をあまり意識していないんです。パリに住んでいたのもあるかもしれませんが、トランスジェンダーの方も自然にいて、これは女物、男物、という概念があまりないんです。特にユニセックスブランドを掲げようというわけでもなく、着たい方はどうぞというか。そんな風にやっているうちに、次第に日本でもジェンダーニュートラルの流れが定着してきたという感じですね」
04 建築やインテリアから<br />
クリエーションのヒントを得ることも

04 建築やインテリアから
クリエーションのヒントを得ることも

「春夏はインドのスタジオムンバイという建築物からインスピレーションを得たのですが、具体的にその建築の形がどうこうということではなく、彼らがどう着想してその建築を作っているかということに共感する部分があって。やっぱり建築や家具もそうですけれど、見ている時間軸の長さが服とは全然違っていて、10年はもちろん、50年100年残っていくものですよね。その素材選びや、強度などの機能面へのアプローチの仕方だったり、そういう部分をすごく尊敬しています。完成したその先を考えて作られているものってパワーを帯びている。着ている人が、そういう建築と並んだり家具に座ったりした時に絵になるように、相性がいいようにということは、かなり意識しています」

Profile

POSTELEGANT ポステレガント

名前は「ポスト(次の、後の)」と「エレガント」を足した造語。“価値のある行いの先にあるもの”をコンセプトに、日本の優れた職人や工場による素材をいかし、余計な装飾を削ぎ落としたミニマルなデザインを展開する。コレクションやシーズンごとのテーマを設けず、タイムレスなウエアを提案するほか、ワンピースやスカート以外はほぼユニセックス。時代も世代も、性差も超えて長く愛されるリアルクローズを目指す。

中田 優也さん Yuya Nakata POSTELEGANT クリエイティブディレクター

アカデミー・アンテルナショナル・ドゥ・クープ・ドゥ・パリ、名古屋学芸大学を卒業したのち、文化ファッション大学院大学を首席で修了。国内のアパレル会社を経て独立。2017年にポステレガントをスタート。自身のブランドに加え、2020 年冬にリブランディングしたベビーカシミアのニットブランド、ピセアのデザインも担当。

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