Amsterdam Human StoriesStories of Self, Told Through Style

STORY

Amsterdam Human Stories

Stories of Self, Told Through Style

スタイルで語る自己の物語

水の都アムステルダム。運河沿いに広がる歴史ある街並みと、新しい文化が息づくこの街には、独自のリズムで生きる人々がいます。「Amsterdam Human Stories」では、そんな街の空気を纏いながら暮らす3人のクリエイターにフォーカス。それぞれが選び取るファッションやライフスタイルは、都市の表情と呼応するように個性を映し出します。彼らの日常の断片を通じて、アムステルダムという街が育む洗練された感性と、多様な生き方をお届けします。

2025.09.23

ハーレムに暮らし、日々アムステルダムからインスピレーションを得るスタイリストのMeta。 仕事や美術館巡り、家族との時間など、多彩な日常を過ごしています。休日にはビーチで心を解放し、自転車で街を走るときに、自分らしさを強く感じるのだそうです。


大切にしているのは、家族との絆と前向きな姿勢。将来はアーティストとして、自らの作品を生み出す一歩を踏み出すことを目指しています。 ファッションでは、自分に似合うスタイルを理解しつつ、色やシルエットで意外性を楽しむのが信条。永遠を象徴する結婚指輪や、首元を引き立てるロングピアスは欠かせない存在と語ります。
 
2015年にチリから移住し、アムステルダムで活動するビジュアルアーティストのMartin。 自転車でスタジオへ通い、制作や執筆に取り組む日々の傍ら、「帽子のミュージアム」と呼ぶユニークなコレクションを街に連れ出し、人との出会いを作品や物語につなげています。休日はカフェや本屋を巡り、花を探したり、友人と食事やダンスを楽しむことも。
自分らしさを感じるのは、やはり自転車で街を走る瞬間。彼の価値観の中心にあるのは「時間」と「共同性」。限られた時間を丁寧に過ごし、人との関わりを大切にしながら物語を紡いでいます。小さなオブジェや本、アーティストとの交流といった「選び取る行為」こそが彼の個性を形づくる要素。今後は、14年間の活動をまとめた書籍『Memory Palace』を完成させ、新しい“帽子=ミュージアムの場”を見つけたいと語ります。
アムステルダムは、小さな街の親しみやすさと国際都市としての広がりを併せ持ち、日々新しい発見を与えてくれる存在です。 ファッションはシンプルに、アクセサリーで物語を添えるのがMartin流。ポケットに忍ばせた小さなお守りやジュエリーは、世界を凝縮した記憶のかけら。
撮影では黒のパンツに鮮やかな赤のニットを合わせ、柔らかな素材感を楽しみます。
 
パリから移住し、ゲリット・リートフェルト・アカデミーで学んだMaartjeは、30年以上アムステルダムに暮らしています。 日常は自身のアート制作と、彼女が運営するアーティスト・イニシアティブ「manyfold books」の活動に費やし、週末は息子と過ごしながら水泳でリフレッシュ。
家族や信頼できる仲間とのコラボレーションを大切にしています。現在の目標は、展覧会「My Garden’s Boundaries Are the Horizon」をアムステルダム外でも開催すること。一方で、近年のジェントリフィケーションによって、かつての刺激的なカルチャーが減少したと感じるものの、特定のアートスペースや海辺の場所は今も彼女のお気に入りです。ファッションでは、色・素材・形・触感を重視。地元デザイナーのユニークなアイテムを愛用しています。さらに、幼少期に祖母と一緒に開けた耳のピアスは特別な思い出の象徴であり、イヤリングを身につけることは祖母との絆を思い出す、大切な時間となっています。

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  • Photographer : Hiroko Matsubara